一時たりとも同じ表情を見せず
千変万化なドラマティックな空模様に魅せられた週末。
道の窪みにできた水溜りには通りすがりの鱗雲が写し出され
移り行く季節を感じずにはいられませんでした。
さて、そんな中ご依頼頂いたスイカのカービングを…
ご依頼主さんから頂いたイメージがどことなく天平文化を感じさせるものだったので
正倉院に伝わる古代裂文様を頼りに彫り進めました。
曲線のひとつひとつに動きをつけて
法隆寺の壁画や東大寺の仏像に描かれた花や鳥の模様も参考にしました。
タイの伝統工芸であるカービング。
本場タイではその技術やデザインが日々生み出されています。
その動きに刺激を受けながらも
日本で生まれ育ったからこそ触れることができた文化や
日本の歴史に刻まれた豊かな文様を表現できればと思ったりするのです。
お届け時に降っていた大雨も、暫くすると嘘のようにやみ、
湿気を含みつつも心地いい風が肌をなでました。
スイカの季節はその幕を閉じ、
またひとつ新しい季節を迎えようとしています。