夏の香りの中で

     

     

    田んぼを吹き抜ける青田風…

    あのサワサワと音を立てて揺れる緑の稲穂の光景と

    例えようのないあの夏の香りが無性に恋しく想う今宵。

     

    「これもまた夏の香りか」と蚊取り線香にライターの火を近づけて

    昔と変わらずたゆたう香りに夏の風情を楽しみながら

    今ごろ田舎の方では蛙達が合唱しているのだろうか…とか

    実家の窓にヤモリがやってきてるだろうか…と思いを巡らせるのでした。

     

     

    さて、先日1周年を迎えた友人のお店への贈り物…

    小玉西瓜に丸が沢山です。

     

     

     

    心の琴線に触れてもらえれば…なんて烏滸がましいことは言えませんが

    楽しみにしてくれている友人を喜ばせたくて一生懸命彫りました。

     

     

    20代前半に知り合った1つ年下の彼女は

    笑顔の絶えないチャーミグな女性で

    どんな時も恐れることなく、ただひたむきに夢に向かって

    努力を重ねる人でした。

     

    彼女が海外に移住したり私が引越をしたりで

    すっかり逢う機会がなくなった今でも

    季節が変わる度にカードにメッセージをしたためて送ってくれる、

    そんな彼女の変わらない実直な姿と心遣いには胸が熱くなります。

     

    カービングした西瓜を受け取った彼女から

    ありがとうの言葉とともに送られてきた写真には

    当時のままの無垢な笑顔が輝いていて、ホッとしたのと同時に、

    私が思い描く夢の実現に向けてお尻を叩かれたようでした。

     

    またいつか互いの夢を語り合えるその時を楽しみに、

    私も彼女のように努めていこうと思う、そんな夜です。